権利行使価格の選び方
権利行使価格をどこに置くかは、オプション取引を始めた誰もが最初に直面する本質的な判断です。行使価格はオプションが利益を生み始める水準、支払うプレミアム、そして最終的に利益で終わる確率を決めます。だからこそ、方向性を当てることと同じくらい、行使価格を上手に選ぶことが重要になります。
Long Callの計算ツールを開く →ITM・ATM・OTM(イン/アット/アウト・オブ・ザ・マネー)
権利行使価格とは、オプションを行使できる価格そのものです。イン・ザ・マネー(ITM)の行使価格はすでに本源的価値を持ち、プレミアムは高く、値動きは原資産に近くなります。アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)の行使価格は割安で、価値はすべて時間価値であり、利益を出すには大きな値動きが必要です。アット・ザ・マネー(ATM)はその中間に位置します。
ここにあるのはレバレッジと確率のトレードオフです。割安なOTMオプションは1ドルあたりの上値余地が大きい一方、無価値のまま満期を迎えることも多くなります。割高なITMオプションはコストがかかり、率で見た値動きは小さいものの、何らかの価値を残す確率ははるかに高くなります。
デルタと確率を手がかりにする
オプションのデルタは、そのオプションがイン・ザ・マネーで満期を迎えるおおよその確率も兼ねています。デルタ0.30のコールはITMで満期を迎える確率がおよそ30%、デルタ0.70のコールならおよそ70%です。デルタをこう読むことで、行使価格の選択は当てずっぽうではなく、明確なリスクの選択になります。
小さな利益を高い確率で取りにいきたいなら、デルタの高いITMやATMの行使価格を選びます。小さな確率でも大きな利益を狙うなら、デルタの低いOTMの行使価格に手を伸ばします。売り手はこれを逆手に取り、高い確率でプレミアムを取り切るために、しばしばデルタの低いオプションを売ります。
相場観に行使価格を合わせる
まずは自分の実際の予想から始めます。原資産がどこまで、いつまでに動くと考えるかです。そのうえで、目標水準で利益になる行使価格を選びつつ、コストと損益分岐点を自分が納得できる範囲に収めます。買いコールの損益分岐点は「権利行使価格+プレミアム」なので、割安な深いOTMの行使価格でも、思っているより損益分岐点が悪くなることがあります。
決める前にペイオフ図を使いましょう。候補となる2つか3つの行使価格について、損益曲線・損益分岐点・確率を並べて見れば、たいていは妥当な落としどころが自ずと見えてきます。
- 行使価格はコスト・損益分岐点・利益になる確率を決める。意識して選ぼう。
- OTMは割安・高レバレッジ・低確率、ITMは割高・低レバレッジ・高確率。
- デルタはITMで満期を迎えるおおよその確率として読む。
- 行使価格を決める前に、必ず損益分岐点とペイオフ図を確認する。
よくある質問
イン・ザ・マネーとアウト・オブ・ザ・マネー、どちらのオプションを買うのが良いですか?
どちらが常に優れているということはありません。ITMオプションは利益になる確率が高い一方、コストが高くレバレッジは小さくなります。OTMオプションは割安で1ドルあたりの上値余地は大きいものの、確率は低くなります。自分の予想とリスク許容度に合わせて選びましょう。
初心者はどの権利行使価格から始めるべきですか?
初心者にとっては、ATMかややITMの行使価格が最も扱いやすいことが多いです。値動きが直感的で、損益分岐点が近く、深いOTMの行使価格に比べて無価値で満期を迎える可能性が低いためです。
デルタは行使価格選びにどう役立ちますか?
デルタはオプションがITMで満期を迎える確率の近似値です。デルタで行使価格を選べば、狙うリスク水準を具体的に定められます。たとえば、低コストで低確率の勝負ならデルタ約0.30の行使価格、といった具合です。
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