セータ減衰とプレミアム売り
セータは、満期が近づくにつれてオプションの価値が日々目減りしていく度合いを表します。オプションを動かす力のなかで唯一、完全に予測できるのがこのセータであり、プレミアムを売って時間価値を回収することに特化したトレードスタイル(しばしば「セータギャング」と呼ばれます)が、これを軸に成り立っています。
Iron Condorの計算ツールを開く →時間価値の減衰はどう進むのか
オプションの本源的価値を除いた部分、すなわち時間価値(外部価値)は、満期に向けてゼロへと減っていきます。満期までまだ時間があるうちは減り方が緩やかで、最後の数週間で一気に加速します。そのカーブはスキーのジャンプ台のような形をしていて、終盤ほど傾きが急になります。
権利行使価格が原資産価格とほぼ同じ(アット・ザ・マネー)のオプションは時間価値をもっとも多く含むため、満期近くではセータによる目減りも最大になります。逆に、大きくイン・ザ・マネーやアウト・オブ・ザ・マネーになっているオプションは、そもそも減るべき時間価値が少なくなります。
セータで利益を上げる
クレジットスプレッド、アイアンコンドル、カバードコール、キャッシュ・セキュアード・プットといった戦略は、ネットでオプションの売り持ち(ショート)になっているため、原資産が想定どおりに推移すれば、時間の経過とともに利益が積み上がります。
注意すべきは損益の非対称性です。プレミアムの売りは一般に利益が限定される一方、潜在的な損失のほうが大きくなりがちです。だからこそ、リスクをあらかじめ限定した建玉の組み方(ディファインドリスク)と、規律あるポジションサイジングが欠かせません。
リスクを管理する
多くのプレミアム売り派は、満期まで持ち切らずに早めに利益を確定します。たとえば最大利益の50%に達した時点で決済するといった具合です。最後に残るわずかなセータは、増大していくガンマ・リスクに見合わないからです。
ボラティリティにも目を配りましょう。IV(インプライド・ボラティリティ)が急騰すると、売っているオプションの価値が一時的に膨らみます。ボラティリティ拡大の可能性を織り込んだサイジングをしておけば、相場から退場せずに戦い続けられます。
- セータは日々進む予測可能な時間減衰であり、満期が近づくほど加速する。
- アット・ザ・マネーのオプションは失う時間価値が最も大きい。
- プレミアム売りの戦略は、原資産が想定どおりに動けばセータで利益を得られる。
- 利益は早めに確定し、ボラティリティ急騰を見込んだサイジングをする。
よくある質問
セータが最も強く効くのはいつですか?
満期前の残り2〜3週間、そして時間価値が最大になるアット・ザ・マネーのオプションで、セータの効きが最も強くなります。
セータがプラスでも損失が出ることはありますか?
あります。原資産の大きな値動きや、インプライド・ボラティリティの急上昇が、セータで積み上げた利益を上回ってしまうことがあります。プレミアム売りにリスク限定が必要なのはそのためです。
「50%で利益確定」とはどういう意味ですか?
プレミアム売りのトレードが最大利益の半分を取れた時点で決済することです。利益を確保しつつ、リスクの高い最終盤を避けられます。
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